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教育委員会改革考

教育委員会改革が再び脚光を浴びている。
ここでは、改革の大きな方向性のあるべき姿について述べてみたい。

この間の報道によれば、自民党案も固まり、その内容の概略は以下の内容と伝え聞いている。

1. 教育行政の責任者は従来どおり教育委員会とする。最終的な意思決定の権限を持つ「執行機関」と位置付ける。

2. 教育委員会とは別の組織として、自治体の首長を議長とする「総合教育施策会議」を新設し、教育行政の大綱的な方針を協議する。

3. 教育長と教育委員長を統合して新たに「新教育長」を設け、「新教育長」が日常の教育行政を執行する。任命や罷免の権利は自治体の首長が持つ。


そもそも教育委員会を含む地方教育行政については、大きく分ければ以下の4つの課題が久しく指摘されている。

① 権限と責任の所在が不明確である

  ・非常勤の教育委員からなる合議体がトップである事や教育委員長(教育委員会の代表)と教育長(事務をつかさどる)との関係が分かりにくい

  ・市町村立学校の管理権限は市町村教育委員会にあるが、教職員(県費負担教職員)の任命権は都道府県教育委員会、予算の執行等の財政的権限は市町村長と、権限と責任の主体が分散している
  ・特に、地方において法令違反や児童生徒の生命、身体、教育を受ける権利を侵害する重大な事態が発生した際に、国の責任の果たし方は十分か

② 地域住民の意向を十分に反映していない

  ・直接選挙で選ばれる首長との意思疎通、連携に課題がある

  ・教育委員の一部や事務局職員の多くは教育関係者やそのOBが占め、閉鎖的かつ教育関係者の意向に沿った教育行政を行う傾向がある

③ 教育委員会の審議等が形骸化している

  ・教育委員は十分な情報を持たず、教育委員会自体は事務局の提出する案を追認するだけで実質的な意思決定を行っていない

  ・小規模市町村教育委員会の事務処理体制が不十分

④ 迅速さ、機動性に欠ける

  ・非常勤の教育委員からなる合議体であり、会議も月に1~2回開催される程度であるため、迅速な意思決定ができない


この4点に照らすと、今回の自民党案は、教育委員会を最終的な教育行政の責任者とすることで教育的中立性の確保を図るとしていること、教育長と教育委員長の統合による新ポストの創設によって責任の所在が従前よりは明確になること、直接選挙で選ばれる首長の意向が「新教育長」の人事権という形で行使されることにより地域住民の意向を反映する方向になっていることは、課題解決に一歩前進と言える。

一方、これまで通り教育委員会を主体とするとなると、教育委員会審議の形がい化、教育委員会事務局の意向が強く出過ぎるという問題、意思決定の遅さと機動性の乏しさ、といった課題は解決に遠い形になってしまっているのではないか。この点の改善策が欲しい。

市町村教育委員会と都道府県教育委員会の権限と責任の整理についてはいまだに課題が残るものと推察される。小規模市町村における教育委員会が充実した事務体制を組むことが難しいという問題についても前進をみないこととなる。これまでの施策で可能になっている教育委員会の広域化、あるいは教員人事の広域化も課題があり、この点も合わせて改善したい。

さらに、教育委員会とは別の組織として、自治体の首長を議長とする「総合教育施策会議」を新設し、教育行政の大綱的な方針を協議するとしているが、いじめや自殺、不登校などをはじめとして教育現場で起きている様々な問題に迅速に対応していくには予算執行に関わる首長の踏み込みがもっと必要なのではないか。政治的中立性が心配であれば、その取り組みをチェックする監査機能を強めればよい話だと考える。地方議会が本来の役割を十二分に果たすべきであるが、加えて、教育委員会に代わり首長を責任者とした場合には、教育監査委員会がそのチェック役の任にあたるというやり方は一考に値する。その場合は議会との役割の整理が必要である。

以上を踏まえ、これからの地方教育行政、特に教育委員会のあり方を考えていく上で、子どもの学習権をしっかり守ることを基本に、以下の5つの点を念頭に置きながら議論をすすめていくべきだと私は考える。

1 機会の均等と教育水準の確保は国に最終責任がある旨を明確化すること。

2 地方自治体における教育行政の責任の所在を明確にすること。教育委員会を存続する場合には教育委員の権限を強化すること。例えば、教育委員に独立した調査権限を付与して教育委員会事務局に頼らず現場情報の収集にあたれるようにする。

3 学校教育における地域関係者の関わり方を明確にすること。教育関係者とのバランスへの配慮を仕組みがすることができるか。

4 教育の中立性の確保。時の政治行政の過度な影響により教育の中立性が失われぬよう、制度で担保を設けておくべき。

5 政治的中立性の確保。時の政治勢力、権力構造が変わるごとに教育方針が著しく変更を余儀なくされることによって政治的中立を脅かす事態が起こらぬよう、制度として政治的中立を守れる仕組みを作っておくべき。
[ 2014/02/27 09:28 ] 日本の政治 | TB(-) | CM(0)
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